2026年8月22日、プレシーズンイベント「KOBE RISING -2026-」のGAME1として行われた神戸ストークス戦を、バスケットLIVEで観戦しました。結果は千葉ジェッツが100-95で勝利。ただ、この試合の見どころは勝敗そのものよりも、新しい千葉ジェッツがどんなバスケットをするのかという一点にありました。しかも今回は富樫勇樹・渡邊雄太が日本代表活動で不在という、いわば「ポイントガード不在」の特殊な状況。だからこそ見えたものが、たくさんありました。
※本記事の試合結果・スターティング5は中継(バスケットLIVE)で確認した情報です。プレシーズンゲームの個人スタッツはB.LEAGUE公式・両クラブ公式のいずれにも掲載されないため、選手評は筆者が試合を観て感じた主観になります。
試合結果|千葉ジェッツ 100-95 神戸ストークス
| 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 千葉ジェッツ | 29 | 27 | 21 | 23 | 100 |
| 神戸ストークス | 27 | 31 | 8 | 29 | 95 |
累計スコアで見ると、1Q終了時29-27、2Q終了時56-58と一進一退。しかし3Qで21-8と一気に突き放し、77-66とリードを二桁に広げました。4Qは神戸の猛追を受けて5点差まで詰められましたが、最後は逃げ切った形です。
プレシーズンゲームなので勝敗に大きな意味はありません。それでも100点という数字は目を引きます。昨季のリーグ戦の平均得点は84.3点でしたから、それを大きく上回るペースでした。
この日のロスターは9名|主力5人が不在
この試合、千葉ジェッツはロスター9名で臨みました。富樫勇樹選手と渡邊雄太選手は日本代表の活動のため不在。さらに瀬川琉久選手、ウィリアムス ニカ選手、菅野ブルース選手が怪我のため欠場しています。
つまり、本職のポイントガードが一人もいないという状況。普通に考えればゲームが停滞してもおかしくない編成です。ここでどんなバスケットを見せるのか——それが今回の最大の注目点でした。
スターティング5
| 背番号 | 選手 | ポジション | 身長 |
|---|---|---|---|
| 8 | ブランドン・ランドルフ | SG | 198cm |
| 12 | 金近廉 | SF | 197cm |
| 17 | 佐藤巧 | SF | 198cm |
| 24 | マット・コステロ | C/PF | 208cm |
| 31 | 原修太 | SG/SF | 187cm |
ご覧のとおり、187cmの原修太選手が最も小さいという、極端にサイズのある5人。この布陣が、この日の試合内容を大きく左右することになります。
オフェンス所感|「止まらないバスケット」への転換
PG不在の中でどのように攻撃を組み立てるのか注目していましたが、結論から言うと杞憂でした。常にボールと人が動いており、停滞して攻めあぐねる場面がほとんどなかったのです。
特に印象的だったのがシュートに行くまでの時間の短さ。ボールを持ってから考えるのではなく、動きながら形を作っていく。昨季とは明らかに違う、かなり速いオフェンスペースになりそうです。
もう一つの収穫がオフェンスリバウンドです。佐藤巧選手や菅原佳依選手といったフォワード陣が積極的に飛び込んでいました。センターだけに任せず、周りの選手がゴール下に詰める——これは、シュートが増えるバスケットでは非常に大きな武器になります。
ディフェンス所感|ウイング偏重ロスターの正体
ロスターを見たときに「ウイングばかり多いな」と感じていたのですが、守備を見てその意味が分かった気がします。明確なミスマッチが起きないのです。
身長が近い選手が並んでいるため、相手が誰を狙っても大きな差が生まれない。守備の交代(スイッチ)をしても穴ができにくい。これはシーズンを通して効いてくる強みだと感じました。
さらに驚いたのが、マット・コステロ選手がベンチに下がって本職のセンターがいない時間帯があったこと。普通なら高さで劣勢になるところですが、運動量でカバーしていて、高さのディスアドバンテージをほとんど感じませんでした。走って守る——ここでもチームの方向性が一貫しています。
選手別の所感|新戦力は期待できそう
#19 ネイト・ウィリアムズ|ゲームハイ37得点
この日の主役でした。ゲームハイの37得点を叩き出し、ドライブからも3ポイントからも得点を量産。フィニッシュの引き出しが本当に多彩です。守備でもウィングスパン(両手を広げた長さ)が長く、自分より背の高い相手でも問題なく守れるのが魅力。昨季までNBAにいた選手のレベルを、初戦から見せつけてくれました。
#24 マット・コステロ|ザ・大黒柱
安定感が抜群で、まさに「大黒柱」という印象。事前情報どおり3ポイントがかなり得意そうなプレースタイルで、期待どおりのストレッチビッグでした。この日はガードが不在だったため、ピック&ロール(味方の壁を使ってインサイドを攻める形)でゴール下を攻める場面がほとんどありませんでしたが、富樫選手が戻ればもっとやれるはずです。楽しみが残りました。
#8 ブランドン・ランドルフ|判断の良いスコアラー
ドイツ得点王という経歴から「とにかく打つタイプ」を想像していましたが、いい意味で裏切られました。無理なシュートを打たず、判断が良い。ビッグマンにマッチアップされた際のミスマッチアタックもできそうで、単なる得点源以上の存在になりそうです。
#17 佐藤巧|嬉しい誤算はディフェンス
198cmのサイズからインサイド寄りの選手かと思っていましたが、オールコートでポイントガードにマッチアップできるフットワークを持っていました。これは嬉しい誤算です。シーズン中の安定したディフェンスに貢献してくれそうな予感がします。
#28 菅原佳依|オールコートで存在感
越谷アルファーズ時代から、サイズがあって良いフットワークでタフなディフェンスをする選手でした。千葉ジェッツでもその持ち味は健在で、オールコートで存在感を示してくれそうです。前述のオフェンスリバウンドへの飛び込みも光りました。
#12 金近廉|得点の幅が広がった
昨季までは3ポイントの印象が強い選手でしたが、この日はカッティング(走り込んでボールをもらう動き)からの得点が増えていました。攻撃の引き出しが増えているのは、若手にとって何より大きな成長です。今季の飛躍に期待したくなります。
#31 原修太|余裕のあるベテランの振る舞い
この日の影のMVPかもしれません。PG不在の中でゲームをコントロールしつつ、ディフェンスでも存在感を示してくれました。本職ではないポジションの仕事を引き受けながら、慌てずにチームを回す——まさに余裕のあるベテランの振る舞いでした。
#13 深水虎太郎|守備で狙われなかった17歳
ユース育成特別枠の17歳ですが、ディフェンスのフットワークが良く、狙われる場面がありませんでした。プロの試合で「弱点にされない」というのは、それだけで大きな評価に値します。オフェンスでの判断がもっと早くなれば、トップチームでも十分やれそうです。
#25 荒尾岳|いつも通りの仕事人
少し痩せたでしょうか(笑)。いつも通り身体を張ったディフェンス、味方のためのスクリーンと、与えられた仕事をしっかりこなしていました。こういう選手がいるチームは強いです。
前回の分析記事との答え合わせ
ロスター確定時に、スタッツから今季のバスケットを予想する記事を書きました。せっかくなので答え合わせをしてみます。
- 「3ポイントが増え、ペースが上がる」→ 今のところ当たりそう。シュートまでの時間が短く、100点に到達したのは good sign です。
- 「スターターは富樫・ランドルフ・ネイト・渡邊・コステロ」→ 主力2人が代表活動で不在だったため、検証は持ち越し。ただランドルフ・コステロは予想どおりスタメンでした。
- 「ウイングが8人の激戦区」→ この日は主力不在でしたが、佐藤選手・菅原選手が守備で存在感を見せ、競争は本物だと感じました。
- 「ビッグマンのリバウンドが課題かも」→ フォワード陣が積極的に飛び込むことでチーム全体で解決しようとしているのかもしれません。
まとめ|開幕が待ち遠しくなった一戦
- 千葉ジェッツが神戸ストークスに100-95で勝利。3Qに21-8と突き放したのが決め手。
- 富樫・渡邊は日本代表活動、瀬川・ニカ・菅野は怪我のため不在。ロスター9名・PG不在という特殊な状況だった。
- それでもボールと人が動き続け、攻撃が停滞しなかった。シュートまでが速く、昨季よりかなりアップテンポになりそう。
- ウイング中心のロスターでミスマッチが生まれず、センター不在の時間帯も運動量でカバーできていた。
- ネイト・ウィリアムズがゲームハイ37得点。コステロは富樫が戻ればさらに脅威になるはず。
主力を5人欠いてこの内容なら、全員が揃ったときが本当に楽しみです。次のプレシーズンゲームは8月30日(日)15:00、川崎ブレイブサンダース戦(東急ドレッセとどろきアリーナ)。富樫選手や渡邊選手が戻ってきたときに、このバスケットがどう変わるのか。注目していきましょう。

